ゴルフ・クロッケー競技規則
(WCF2004年度版)


規則−1 ゲームの概要

(a)競技はダブルス(4人)もしくはシングルス(2人)で実施。ダブルスの場合、一方のペアが   
 青と黒、もう一方のペアは赤と黄のボールを使用し、競技中各プレイヤーは同一のボールで
 プレイする。シングルスの場合は1人で2個のボールを使用する。
(b)競技の目的は、自分のボールを、ある一定の順序に従いフープを通過させることである。
 あるフープを最初に通過したボールにフープポイント1点が与えられ、相手よりも多くのフープ
 ポイントを得た方が勝者となる。
(c)試合(マッチ)は、7ポイント(4ポイント先取)、13ポイント(7ポイント先取)、19ポイント(10ポ
 イント先取)のいずれかのゲーム形式が採用され、それぞれ過半数のポイントを上げた時点
 でゲーム終了となる。この形式で、1ゲームマッチ、もしくは3ゲーム、5ゲームマッチのいず 
 れか の対戦形式をとり、勝敗を決める。
(d)フープの配置は、図−1に示したとおりで、通過順序は、7ポイント制では第1フープから第
 7フープ(1バック)まで、13ポイント制では第1フープから第12フープ(ローバー)、最後に第3フ
 ープを狙い、19ポイント制では第1フープから第12フープの後、第3、第4、第1、第2、第11、
 第12、そして第3フープの順となる。
(e)競技は自分のボールをマレットで打つことで進行する。打順が来てプレイするプレイヤーを
 ストライカーと呼ぶ。ストライカーは自分のボール以外(相手プレイヤーのボールやパートナ 
 ーのボール)を決して打ってはならない(規則−13(a)(16)、(17)参照)。
(f)ボールは青(ブルー)、黒(ブラック)、赤(レッド)、黄(イエロー)の4色を通常用い、打順は競技
 中ずっと青、赤、黒、黄の順に繰り返される。すなわち、黄色のボールの打席が終了したら、
 次は青のボールの打席となる。
(g)競技中、4つのボールは常に同一のフープの(最初の)通過を目指し、いずれかのボール 
 がそのフープを通過したら、打順に従い次のフープの通過を狙うこととなる。
(h)プレイヤーもしくはレフリーが、あるプレイに対して反則が起きたと確信した場合、速やか 
 にその事実を宣言しなければならない。そして、その問題に関して充分確認し、必要とあら 
 ば、修正措置がとられる。
(i)同一のコートで2つのゲームを実施する際には、代替色もしくはストライプ入りのボールを用
 いる。この場合、各プレイヤーは双方のゲームに充分注意し、トラブルの発生を未然に防ぐ
 ようにしなければならない。プレイ中に、別のゲームのボールが邪魔になる場合は、相手側 
 の了解を得た上でマーキングし、そのボールを移動させることは構わない。なお、別のゲー 
 ムのボールによるインターフェアに関しては、『規則−10』で取り扱う。


規則−2 標準コート

(a)標準コート/標準コートは35ヤード×28ヤード(32m×25.6m)の長方形とする。コート
 の境界線(バウンダリー・ライン)は明確に区切られていなければならず、境界線の内側の端
 がコートの実際上の境界と定義される。石灰などでひかれた境界線で古いものと新しいもの
 とがあるような場合、最も新しく引かれたものを境界線とする。図1は、標準コートのセッティ 
 ングならびに補足的な説明を示しており、本規則の一部とみなされる。四辺の境界線はそれ
 ぞれ、実際のコートの向きとは関係なく、コートセッティング上、南、西、北、東として区別され
 る。同様に、コートのコーナーはそれぞれ、T、U、V、Wと呼ばれる。コート中央にはペグを
 配置する。6本のフープは北と南の境界線に平行にセットする。すなわち、内側の2本のフー
 プの中央がペグからそれぞれ北と南7ヤード(6.4m)の位置に、外側の4本のフープの中央
 は、各コーナーを一角とした7ヤード(6.4m)の正方形を想定し、そのもう一方の角の位置 
 にそれぞれは位置される。
(b)敷地の関係上フルサイズのコート(標準コート)が確保できない場合、縮小コートで代用す 
 ることも可能である。その場合は、標準コートの縦横の比率を崩さないようにしなければなら
 ない。例えば、標準コートは7ヤードをモジュラーとして5対4の比率で構成されており、このモ
 ジュラーを6ヤードとか5ヤードに縮小するわけである。
(c)何らかの理由により、コートレイアウトを若干変形させるような場合は、『規則−15(a)(3), 
 (4)』に基づいて行う。この場合でも、最低限、ペグは第5フープと第6フープを結ぶ直線上の
 中間点になければならない。


規則−3 用具

(a)フープは直径5/8インチ(16mm)の金属製の丸棒とする。ペグと同様、垂直かつ堅固にコ
 ート上に固定し、フープの最上部(横棒:クラウン)までの高さ(地上部)は12インチ(300  
 mm)とする。クラウンはまっすぐな丸棒もしくは角棒で、かつ2本の縦棒(アップライト)と直角
 を成していなければならない。同様にアップライトの内側(ボールが通過する側)は平行で、、
 その間隔は3インチ11/16(93.5mm)〜4インチ(100mm)の範囲内でなければならない。
 コート上の各フープのアップライトの間隔はすべて等しくあるべきで、その誤差の許容範囲は
 プラス・マイナス1/32インチ(0.8mm)とする。すべてのフープは白色に塗装されるが、第1 
 フープのクラウンは青に、最後のフープのクラウンは赤に塗装し、通過順序を示す。
(b)ペグ(センターペグ)は直径1インチ1/2(38mm)、高さ18インチ(450mm)(地上部)とし、
 木製もしくは金属製のものが用いられる。垂直かつ堅固にコート上に固定し、少なくとも地上
 6インチ(150mm)までの部分は白色に塗装されていなければならない。また、ペグの上部 
 は通常ボールの打順と同じ色合い、すなわち最上部が青で、以下、赤、黒、黄の順で帯状に
 塗装されている。
(c)ボールは通常、青、黒、赤、黄の4個を用いるが、代替色もしくはストライプ入りのボールの
 使用も認められる。直径は3インチ5/8(92mm)±1/32インチ(0.8mm)、重量は16オン 
 ス(454g)±1/4オンス(7g)とする。損傷を受けた場合は、ゲーム中いつでも交換すること 
 が出来る。
(d)マレットのヘッドの素材に制限はないが、木製のヘッドと比較して、プレイ上で有利になるよ
 うな細工を施してはならない。また、マレットの両フェイス(打撃面)は平行かつ同一構造でな
 ければならない。フェイスのエッジ(面取りされた部分)は定義上フェイスに含めない。
(e)本規則の(a)から(d)で規定されたサイズは、『規則−15(a)(3),(4)』の通り変更されることもあ
 るが、フープのクラウンの高さは地上から最低でも11インチ1/2(287mm)を確保しなけれ
 ばならない。


規則−4 アクセサリー(付属用品)

 以下の付属用品は、プレイヤーならびに観客への説明や案内のために便宜上用いられるも
ので、定義上のコート・セッティングの構成要素とはみなさない。したがって、ゲーム中、一時的
にはずしたり移動させても構わない。基本的にアソシエーション・クロッケーで使用される付属
用品を流用して用いる。
(a)コーナー・フラッグ:通常は高さ12インチ(300mm)で、青、赤、黒、黄をそれぞれコーナー
 T、U、V、Wに配置する。その際、コート内ではなく、バウンダリーラインに接するか、もしく
 はその外側12インチ(300mm)までの位置に設置する。
(b)チェック・フェンス:ボールがコート外の遠くへ転がるのを防ぐために用いられる。ボールの 
 転がりを確実に食い止められる高さで、バウンダリーラインの外周およそ1ヤード1/2(1.3
 m)の位置に設置する。
(c)ハーフウェイ・ライン・マーカー:各ハーフウェイ・ライン(規則12参照)の両端の位置を示す
 ために用いられる白色に塗装された杭で、直径3/4インチ(20mm)、高さ3インチ(80mm)
 ほどで、バウンダリーラインに接するか、もしくはその外側12インチ(300mm)までの位置に
 設置する。
(d)クリップ:得点経過を知るために用いられるもので、プラスティックもしくは金属製とし、6個2
 セットを使用する。2セットのうち一方は赤か黄、他方を青か黒とする(代替色のボールを使 
 用する場合はその色に準じる)。プレイ中、フープポイントを得点したらそのサイドの色のクリッ
 プをフープにつける。
(e)シーケンス・ポスト(打順杭):打順のボールの色を示すためにコート外に立てて用いられる。
 通常は、代替色のボールを使用する際にその打順確認のために用いられる(標準色の打順
 はペグで確認できる)。


規則−5 スターティング

(a)トスの勝者は、ボールの色(青・黒か赤・黄)を選択することが出来る。『規則−5(c)』によ 
 り、どの試合においても、第1ゲームでは必ず青のボールからスタートする。この原則はシン
 グルス、ダブルスとも共通である。
(b)各ボールは第4コーナー(第4フープ近くのコーナー)から1ヤード(900mm)以内の地点に
 置き、そこから打順にしたがってスタートさせ、ゲーム中この打順を常に維持しなければなら
 ない。
(c)1試合(マッチ)が2ゲーム以上で競われる場合、2ゲームめ以降も各プレイヤーは同色の 
 ボールを使用し、次のゲームは前ゲームの敗者の打順の色からスタートする(例:前ゲーム 
 が黒で終了したら、次ゲームは黄からスタートする)。


規則−6 打席

(a)各打席は、1回のストロークで終了する。ストロークとは、ストライカーがマレットでボールを 
 打つことで完結する。プレイヤーがストロークに備えるための動きの中でマレットがボールに
 触れ動いた場合など、ストライカーの意思に反してボールに触れた場合でも、規定上はストロ
 ーク(もしくは反則)とみなされ、その打席は終了する。
(b)プレイヤーがそのつもりであっても、ストロークが完了しないこともありうる。例えば、ストライ
 カーがボールを打つつもりでそれに失敗した場合、いわゆる『空振り』はストロークもしくは反
 則とはならず、正式に打つ(ボールに当てる)まで打席は終了しない。
(c) ボールは、『規則13(a)(14)』(コートの損傷)の場合のみ、フープや他のボールの上をジャン
 プしても(飛び越えても)構わない。
(d) ストロークにより、プレイヤーのボールは、正規の順序であれば、1つもしくはそれ以上のフ
 ープポイントを得点したり、また、他のボールを動かしたり、得点させたりすることが出来る。
(e) ボールがバウンダリーラインを越えてコート外に出た場合(ボール・オフ・ザ・コート)は、ボー
 ルが横切ったバウンダリーラインの地点に、そのボールの中心を置きなおす。なお、ボール
 の半分以上がバウンダリーラインを越えている場合に、ボール・オフ・ザ・コートとなる。
(f)上記のケースで、既に他のボールがあり置き直せない場合には、他のボールの打順が終了
 してから(その場所がクリアになってから)、置きなおせばよい。また、他のボールよりも先に
 プレイしなければならない場合には、そのボールに接触させてバウンダリーライン上に置きな
 おしてプレイする。
(g)バウンダリーライン上に置きなおされたボールにより、他のボールをプレイする際にそれが
 支障となる場合は、一時的に移動させて構わない。
(h)動いたボールを元の位置にもどすことで意見が一致した場合、双方で意見の一致した位置
 に戻します。なお、次の打順のプレイヤーがそのままプレイをしたら、また、レフリーがそのボ
 ールの位置について正式な結論を下した場合は、そのボールの位置について双方の意見が
 一致したものとみなします。


規則−7 フープポイント

(a)図1の通り、ボールが正しい順序と方向でフープを通過した場合、フープ・ポイントを得ること
 が出来る。これを『フープ通過(ランニング・ザ・フープ)』という。また、この順序とは逆の方向
 からフープを通過しても、フープ・ポイントは得られず、この場合完全にプレイイング・サイド側
 (ノン・プレイイング・サイドにはみ出ていないこと)から、次の打席で正しい方向に通過させな
 ければならない。
(b)図2の通り、プレイイング・サイド(フープ通過する前のサイド)にあるボールが、ノン・プレイ 
 イング・サイド(フープ通過した後のサイド)の垂直面を通過した時点でフープ通過の開始とな
 り、その後プレイイング・サイドのフープの垂直面を越えて、フープ通過の完了となる。
(c)フープ通過は、必ずしも1回のストロークで完了せず、2回以上の打順を要することもある。
(d) 打者のボールが、(同じフープを狙う)他のボールに当りそのボールがフープ通過した場合
 (ピール)は、そのボールのフープポイントとなる。また、当てたボールと当てられたボール(2
 個以上もありうる)の両方ともフープ通過した場合は、フープ通過前に最もフープに近い位置
 にあったボールのポイントとなる。
 
図2:フープ通過の定義

(1)フープ通過は開始されていない(ノン・プレイイング・サイド側の垂直面をボールの先頭が 
 が越えていない)。
(2)フープ通過が開始されている(ノン・プレイイング・サイド側の垂直面をボールの先頭が越 
 えている)。
(3)フープ通過は完了していない(プレイイング・サイド側の垂直面をボールの後端が越えてい
 ない)。
(4)フープ通過が完了している(プレイイング・サイド側の垂直面をボールの後端が越えてい 
 る)。


規則−8 アドバイス

(a)ダブルスプレイの場合は、パートナー・プレイヤーにより、ストロークの際のショット方向に関
 して指示や目標を示してもらっても構わない。ただし、実際のストロークが開始される時に  
 は、パートナーは打者から明らかに距離をとり、あるいは、ショット目標から離れなければな 
 らない。
(b)いかなるときでもプレイヤーは、スコアに関する件、すなわち、次に狙うフープ、次の打順、 
 コート外に出たりハーフウェイラインを越えたためリプレイスするボールに関して、相手プレイ
 ヤーから質問された場合は明確に答えなければならない。


規則−9 インターフェア

(a)コート表面の障害物(例えば、虫の死骸、小枝、落ち葉や木の実、小石、その他のごみな 
 ど)は取り除いて構わない。
(b)コート上に穴やくぼみがありプレイに支障を及ぼす場合には、ストライカーはレフリーに救済
 措置を要請できる。コート上のくぼみや穴は、可能ならばその場で修復される。それが無理 
 な場合は、レフリーはそれによってストライカーが有利にならない範囲で、プレイに支障を及 
 ぼさない位置にボールを移動させることが出来る。コート全般のコンディションによるもの(芝
 の長さや、傾斜など)の場合には、ストライカーに救済措置は与えられない。
(c)コート外に充分なスペースがなく(バックスイングが出来ない)、または、コート表面よりも高く 
 (低く)なっている場合(レベルスタンスが取れない)など、バウンダリー・ライン上やその付近
 のボールに対して、打者が通常のスタンスでプレイすることが出来ない場合は、相手プレイ 
 ヤーもしくはレフリーの同意を得て、そのボールが狙うライン上で、リプレイスさせることが出
 来る。なお、ボールを移動させる距離は、通常のスタンスが取れる位置までの最小の範囲と
 し、もし他のボールが1ヤード(900mm)以内にありストライカーズボールの通過に影響を及
 ぼしそうな場合は、それぞれのボールの相対的位置関係を崩さずに、ストライカーズボール 
 と平行に同じ距離だけ移動させることが出来る。そして、ストライカーズボールのプレイ後に、
 ただちにもとの位置に戻す。
(d)いかなるものでもゲームに直接関係ないものは、外部要因とみなす。すなわち、ペットなどの
 動物、観客、プレイヤー以外のレフリー、他のゲームのプレイヤーやそれに用いられている用
 具、コート外に出たボール、その他コート内に侵入してきた物体などが該当する。コート表面
 の損傷や、天候は外部要因とはみなさない。
(e)ストローク以外の反則や外部要因によって静止していたボールが動かされた場合は、ただ
 ちに元に戻すことが出来る。
(f)ストローク以外の反則や外部要因によって、動いているボールが妨害を受け、そのストロー
 クの結果に実質的な影響を及ぼした場合は、そのストロークによって動かされたすべてのボ
 ールは元の位置にリプレイスされ、ストロークは再度やり直される。ストロークの結果に実質
 的な影響がなかったと判断される場合は、レフリーはそれらの妨害がなければ止まったであ
 ろう本来の場所にボールを置きなおすことが出来る。
(g)上記のケースでボールをリプレイスする場合、それにより他のボールに当てたり、フープポ 
 イントを得ることは出来ない。


規則−10 打順間違え

(a)プレイヤーもしくはレフリーが、打順間違え(アウト・オブ・シーケンス)に気付いた場合、ただ
 ちにそのことを指摘しなければならない。
(b)打順間違えが、その後の4打席目の完了以前に指摘された場合、この間のフープポイント 
 はすべて撤回され、最初の打順間違えの前の状態にすべてのボールを戻し、正しい打順に
 よりリプレイされる。なお、打順間違えの反則を犯したプレイヤーに対するペナルティーは科
 せられない。特に指摘がされなかった場合は、打順間違えはなかったものとして扱われ、プ 
 レイはそのまま続行される。
(c)ボールをリプレイスする位置は、最終的にレフリーの決定によるが、その決定の際にプレイ
 ヤーならびに、プレイヤーの同意により観客の意見も参考とすることが出来る。


規則−11 ハーフウェイ・ライン・ルール
(a)
(1)いずれかのボールがフープポイントを上げストロークが終了した時点で、ハーフウェイ・ライ
 ン(今通過したフープとこれから狙うフープの中間地点)(『規則−11(d)』 参照)を越えてい 
 るボール(フープポイントを上げたボールは除く)は、ハーフウェイライン・ボールと呼び、本ルー
 ルに基づき取り扱いに注意を要することとなる。
(2)ハーフウェイライン・ボールは、『規則−11(c)』の場合を除いて、次のプレイが始まる前に
 『規則−11(b)』に基づきリプレイスされる。
(3)もし、ハーフウェイライン・ボールが適切にリプレイスされる前にそのままプレイされ、相手
 サイドもしくはレフリーによって、この事実が通告された場合は、相手サイドのプレイヤーは、
 そのままプレイを続行するか、元の位置にすべてのボールを戻し『規則−11(a)(2)』のとおり
 にするか、どちらかを選択することが出来る。
(b)
(1)ハーフウェイライン・ボールは、図-3に示された『ペナルティー・スポット』DもしくはEにリプ
 レイスされるが、どちらに置くかは、そのハーフウェイライン・ボールの相手サイドにより決定
 される。
(2)リプレイスされるボールが、それより先にプレイされるその他のボールに支障を与える場 
 合は、それらのボールがプレイされた後に、リプレイスすればよい。
(3)リプレイスされるボールが、それより先にプレイされるボールが既にあり、正確にリプレイ 
 ス出来ない場合は、それらのボールがプレイされた後に、リプレイスすればよい。
(4)リプレイスされるボールが、それより後にプレイされるボールが既にあり、正確にリプレイ 
 ス出来ない場合は、そのボールに接触させて可能な限りペナルティスポットに近いバウンダリ
 ーライン上にリプレイスすることとする。
(c) ハーフウェイライン・ボールは、次の場合は、リプレイスせずそのままプレイする。
(1)次の要因によりハーフウェイライン・ボールとなった場合。
 (@)相手ボールに当てられた場合。
 (A)相手のストロークの結果による場合。
 (B)他のボールをピールしてフープ通過させた場合。
 (C)フープ通過後のパートナー・ボールに当てられた場合。
(2)ハーフウェイライン・ボールの相手サイドが以下のようにした場合。
 (@)ハーフウェイライン・ボールをリプレイスする前に、プレイした場合。
 (A)ハーフウェイライン・ボールをリプレイスせずにそのままプレイするように要請した場合。
(d)以下の通り、次に狙うフープに応じてハーフウェイ・ラインは規定される。           
次に狙うフープ
ハーフウェイ・ライン
2、4、6、8、10、12、13
DE
3、9
BG
5、11
CH
AF


規則−12 ストローク以外の反則 

 プレイヤーによる打席中の行動ならびに『規則−14』で規定されるストローク中の出来事
は、本規則の適用外である。
(a)『規則−12(b)』のとおり、いかなるときでもプレイヤーは、ボールが動いているか静止して
 いるかに係わらず、身体、衣服、マレットの一部でもボールに直接触れたり、またフープやペ
 グを叩くなどして間接的にボールに触れた場合はストローク以外の反則とみなされる。
(b)以下の場合は、ストローク以外の反則とはみなされない。
(1)ストライカーが、ストロークの際に、自分のボールにマレットでふれる場合(打順間違えの 
 場合でも)。
(2)その他の場合
 (@)バウンダリーライン上にリプレイスする場合。
 (A)『規則−9(b)もしくは(c)』 により、ボールを動かす場合。
 (B)『規則−11(b)』 により、ボールを動かす場合。
 (C)相手サイドかレフリーの同意を得た上で、汚れたボールをきれいにする場合やマークす
  る場合。
(c)これらの反則を犯した場合は、『規則−9(e)もしくは(e)』に従いプレイが続行されるが、反 
 則を犯したサイドの次の打席は失われる。


規則−13 ストロークにおける反則

(a)ストロークすなわちショットの一連の動作は、まず最初にプレイヤーが自分のボールにアド 
 レスしてスタンスを取るところから始まり、そして、ショットが終了してプレイヤーのスタンスが
 解除された時点で完了する。このストロークの最中にストライカーによって引き起こされる以 
 下のケースはすべて反則となる。
(1)マレット・ヘッドに手で触れた場合。
(2)マレットのシャフト、手、腕が地面に触れた場合。
(3)マレットのシャフト、手、腕のいずれかでも、脚部(腿、膝、脛、足など)に預けて(それを支
 えとして)ショットをした場合。
(4)前の打席のボールが完全に静止状態になる前や、レフリーの裁定や相手プレイヤーとの
 確認によるリプレイスが完了する前に、ボールを打った場合。
(5)マレットを(正常なスイングではなく)足で蹴ったり、手で叩いたり、落下させたり、投げたり
 して、ボールを打った場合。
(6)マレットのエンド・フェイス(両打撃面)以外でボールを打った場合(『規則−3(d)』参照のこ
 と)。フープ、ペグ、他のボールの付近でのショットの場合はこの反則がおきやすいので、充 
 分な注意を要する。
(7)ボールを打つ際に、一定以上の間ボールとマレットが接触し続けたり、他のボールに当て
 た後もストライカーズ・ボールとマレットが接触していた場合。
(8)ショット中にボールを2度打ち(ダブル・タップ)した場合。
(9)フープやペグに接触しているボールを、マレットそのフープやペグを打ってボールを動かし
 た場合。           
(10)フープやペグに接触しているストライカーズ・ボールを、それらから離す方向に打たなか 
 った場合。
(11)他のボールにマレットで触れた場合(『規則−10』参照)。
(12)身体・衣服の一部でも、いずれかのボールに接触した場合。
(13)ペナルティ・スポット上のボールや、コート外に出たためにバウンダリーライン上にリプレイ
 スされたボールに対して、意図的にボールを当てた場合。
(14)コートに対してダメージを与える、もしくは与える可能性のあるショットやプレイをした場  
 合。この場合の可能性とは、コート表面を傷つけるなど、その次のプレイに影響を及ぼす行 
 為をすべて含むものとする。
(15)相手ボールを打った場合。
(16)ダブルスのゲームで、パートナー・ボールを打った場合。

(b)空振り(『規則−6(b)』参照)は、ストロークや反則とはみなされず、やり直しが出来る。

(c)ストロークにおける反則後の処置
(1)『規則−16(f)』のとおり、そのままプレイを続行するか、反則前の状態にすべてのボール
 を戻すか、相手サイドの判断に任される。但し、いずれの場合でも、そのショットによる得点 
 は取り消され、その場でストライカーの打席は終了する。
(2)『規則−13(a)(15)』のケースを除き、次のプレイヤーのストロークが終了するまでに、相
 手プレイヤーもしくはレフリーからその反則に対する指摘がなされなければ、反則が起こらな
 かったものとしてそのままプレイは続行される。
(3)『規則−13(a)(15)』の反則の場合は、次の4打席が終了するまでに指摘されれば、反 
 則が発生する前の状態にすべてのボールを戻し、その間のフープ・ポイントはすべて撤回さ 
 れ、反則を犯したプレイヤーの打席は終了し、次のプレイヤーの正規のボールからプレイ再
 開となる。反則後の4打席以内に特に指摘がなければ、反則が起こらなかったものとしてそ 
 のままプレイは続行される。ボールをリプレイスする位置は、最終的にレフリーの決定による
 が、その決定の際にプレイヤーならびに、プレイヤーの同意により観客の意見も参考とする
 ことが出来る。


規則−14 禁止行為

 競技中のプレイヤーの次のような振る舞い・行動は、禁止行為として、再び繰り返されること
 の無い様、レフリーによって厳重に注意される。レフリーの注意にも拘らず再び繰り返された
 場合は、『イエローカード』を与えられ、そのサイドの次のプレイヤーの打順は剥奪される。さ
 らに同様な行為が繰り返された場合は、レフリーはそのプレイヤーに『レッドカード』を与え、
 その試合は終了する(『レッドカード』サイドが敗者となる)。この場合の試合のスコアは、勝者
 はその試合の必要勝利ポイントとなり、敗者はその時点でのポイントとなる。

(a)規定に定められたドレスコード(服装規定)に従わない行為。
(b)正当な理由なく、コートから離れる行為。通常、5分以内であれば問題ない。
(c)戦術・技術上のアドバイスを、パートナープレイヤー以外から受ける行為。
(d)試合中の喫煙ならびに飲酒行為。
(e)相手プレイヤーのプレイを混乱させる行為。
(f)相手ストライカーの近くに立ったり、動き回ったりするなどして、ストロークを邪魔する行為。
(g)相手プレイヤーとの交渉や議論、あるいは攻撃的な行為。
(h)正当な理由のない遅延行為。試合中、プレイヤーには速やかなプレイが要求される。
(i)ストロークの距離や目標の目安のために、マーカーを利用する行為。
(j)レフリー不在の場合以外で、本当にポイントを上げたかどうかチェックするような行為。
(k)規則−8(b)に基づく相手プレイヤーからの質問に対し、虚偽の回答をする行為。
(l)規則−13(a)-14に規定される反則により、コートに損傷を及ぼす行為。この反則が2回繰
 り返された場合、本規則に基づく不適切な(好ましからざる)行為とみなされる。
(m)レフリーの裁定に従わない、もしくは、レフリーに対する敬意の欠如とみなされる行為。
(n)ゲームの尊厳を貶めるような行為。


規則−15 レフェリー(現在調整中)


規則−16 ハンディキャップ・ゲーム

(a)ハンディキャップ・ゲームとは、技量の異なるプレイヤー間で出来るだけ平等に競い合える 
 ようにするものである。本規則で規定されること以外はすべて通常のゴルフクロッケーのルー
 ルが適用される。各プレイヤーには、技量に応じて、最も上級者の『0』から初心者の『10』 
 の範囲内(13ポイント・ゲームの場合)で、それぞれにハンディキャップが付与される。
(b)シングルスゲームでは、下位のプレイヤー(ハンディキャップの多い方)が、上位のプレイヤ
 ーとのハンディキャップの差の分だけ、追加ストロークを打つ権利を与えられる。(例えば、ハ
 ンディキャップ1と6のプレイヤーの対戦では、6マイナス1で『5』の追加ストロークの権利が 
 与えられる。)
(c)ダブルスゲームでは、追加ストロークはチーム(サイド)ではなく、プレイヤー個人に与えられ
 る。すなわち、両サイドの下位のプレイヤー同士のハンディキャップの差の半分(小数点の場
 合は切り上げ)が追加ストロークとして与えられ、上位のプレイヤー同士も同様に計算され、
 決定される。
(d)打席中、追加ストロークで得点をポイントすることは出来ない。
(e)追加ストロークは、そのプレイヤーの打席の終了時に限り、同じボールでのみ、可能とな  
 る。その条件内であれば、試合中いかなる場合でも、また(複数の追加ストロークの権利を 
 持っていれば)複数回継続して打つことも構わない。
(f)ストライカーは打席の終了時に、追加ストロークを行う意思を明確に示し、相手プレイヤーに
 告げることで、それが可能となる。また、追加ストロークの権利を持ち、かつ、その行使を明 
 確に示した後でも、規則−13(c)−(1)に基づくショットの反則によりボールがリプレイスされ 
 た場合を除いて、実際のショットの前であれば、それ(追加ショットの行使)を取り消すことも出
 来る。この場合も、追加ショットを行使しない(取り消す)意思を明確に相手プレイヤーに伝え 
 なければならない。ただし、最初から追加ショットをしない意思を明確にしている場合は、それ
 を取り消して、追加ショットを行使することは出来ない。ショットにおける反則を犯した直後に 
 追加ストロークの行使を主張した場合は、規則−13(c)−(1)は適用されずに、ストライカー 
 ズ・ボールは反則前の位置に置きなおされる。


運営規定(現在調整中)

1)オフィシャル
2)レフリー、ボールボーイ/ガール、スコアラー
3)トーナメント・マネージャー
4)ハンディキャップ
5)タイムリミット
6)アピールコミッティー




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